「エリート官僚に聞かせてやりたい教育現場」を読んで

エリート官僚に聞かせてやりたい教育現場エリート官僚に聞かせてやりたい教育現場
(2008/04)
吉本 暁史

商品詳細を見る


この間、大阪で会った数少ない教育関係、というか、教師の友達の本である。

感想を聞かせろ、と言われたので、ここで述べてみたい。

ただ、ここに書く感想は、日本の教育の現場にいない、言うなれば「浦島太郎」状態であり、さらに、まだ教員になって3年目という、超ド素人が書いている、ということを、頭の隅においてもらいたい。

この本は、第1章は、教育現場の状況、第2章は教育再生へのヒント、第3章は心を育むことを中心にした教育を目指す、という3章構成である。

第1章は、著者の勤める高校や知っている高校(中堅校、と呼んでいる)を中心とした現場の問題をさらけ出している。自分も似たような学校に勤務していたことがあるので、よほどのことがない限り驚きはしないのだが、さすがに、昔と比べれば、非常にネガティブになった感がある。

第2章、第3章は、著者の考える、「これからの教育」について述べている。題名が「エリート官僚」とあるので、教育政策面に対する提言が多い。食育はいい例である。ただし、この2章を1つの章にまとめて、自分が個人に読んでみたかったことを書いてくれれば、と思う。

それは、一つ物足りないな、と思ったこと、「教師として、どうこれからの教育を作っていくか」ということだ。それを「エリート官僚に」聞かせてやるのも面白かったのではないか、と思う。

政治や保護者、生徒などの影響を受け、教師は多忙をきわめているが、それは他国でも同じことである。イギリスやアメリカは、昔の日本のような「試験重視」に政策を転換したので、現場は未だに混乱しているし(前のようではなくなったが)、保護者、生徒が学校や教師を訴える、なんていうのは日常茶飯事である。僕は初任者のときは、できるだけ「訴えられないように」と、校長や副校長から言われたのには、いささかびっくりした。つまり、政策の提言や保護者への期待などは、必要ではあるが、僕がもっと読みたかった、知りたかったのは、「じゃ、教師として、これからの教育をどう作っていくべきか」ということだ。

最近は中学生を教えているから、そうは思わなくなったものの、高校で12年生を持っていたときは、「このまま社会に送り出していいのだろうか」と思うことが多かった。つまり、この疑問を抱く、ということは、些か、自分のその当時の卒業生への教育に対して悔いが残ることもあったのではないか、といつも思っていた。自信を持って社会に送り出すには、「何を」「どのように」教えなければならないか、というのを念頭に置いていなければならない。そして、学生がそこから、「社会で必要な知識/技能」を少しでいいから、学んでほしいと思っていた。

なぜ、このように思うか、といえば、教師が学生に与える影響は、善くも悪くも多大であるからだ。それは、教師の人間性や性格に以上に、ただ単に教師といる時間が長いからである。考えてみれば、幼稚園や小学校に入学して、高校を卒業するまで、「先生」という人間と付き合うことになる。その先生が、良い先生であれば(「良い」という表現は、生徒個人によるものなので、ここでは、どういう先生がいいのか、という断定はしない)、良い影響を受けるであろうし、そうでもなければ、生徒も、良い影響は受けないであろう。その教師個人が、どうすべきか、という筆者の考えをもっと聞いてみたかったのが、本音である。

ICUの教育社会学者の藤田英典氏が、著書で「教育は未完のプロジェクトだ」と言っている。それは、社会が変われば、教育もその流れにそって変わっていかなければならないから、決して終わりはないものだ、という意味からであろう。その未完のプロジェクトに関わっているのは、社会の構成員、全員である。その中でも、一番そのプロジェクトに責任を持たないといけないのは、教師一人一人である。彼らが未完のプロジェクトを推進し、学生を社会に送り出す、という、大事な仕事を担っている。

官僚と呼ばれる方、教育政策に実際に関わっている方は、この本を読み、実際に現場に足を踏み入れてみることをオススメする。百聞は一見にしかず。

と、ちょっと批判的に書いてみましたが、友達の名誉の為に、この本は読んでみると面白いと思います。現在お子さんをお持ちの保護者の方には、「学校選択」のために、実際の現場を知り、これをもとに、お子さんのために、いい学校を探すヒントにもなると思いますし、教員志望の人は、これを読んで、「如何に教師としてやっていくか」考えるキッカケになると思います。


1クリック、今日もお願いします!
にほんブログ村 教育ブログへ

読書の夏(歴史編)

歴史に関しては、この夏は、各国史、そして中東のイスラム関係の本を読んだ。
各国の歴史に関しては、ここでは述べない。が、本を手に取った理由は(1)今後いきたいところの国を知りたい、ということと、(2)今すんでいる国や地域のことについて知りたい、ということが主な理由。

肌で感じることを、改めて活字で読むと、理解も進む。

物語 中東の歴史―オリエント5000年の光芒 (中公新書)物語 中東の歴史―オリエント5000年の光芒 (中公新書)
(2001/06)
牟田口 義郎

商品詳細を見る


物語タイの歴史―微笑みの国の真実 (中公新書 1913)物語タイの歴史―微笑みの国の真実 (中公新書 1913)
(2007/09)
柿崎 一郎

商品詳細を見る


物語イスラエルの歴史―アブラハムから中東戦争まで (中公新書 (1931))物語イスラエルの歴史―アブラハムから中東戦争まで (中公新書 (1931))
(2008/01)
高橋 正男

商品詳細を見る


イスラーム文化?その根柢にあるものイスラーム文化?その根柢にあるもの
(1991/06)
井筒 俊彦

商品詳細を見る


イスラームとは何か―その宗教・社会・文化 (講談社現代新書)イスラームとは何か―その宗教・社会・文化 (講談社現代新書)
(1994/07)
小杉 泰

商品詳細を見る


イスラーム思想史 (中公文庫BIBLIO)イスラーム思想史 (中公文庫BIBLIO)
(2005/01)
井筒 俊彦

商品詳細を見る


イスラム世界がよくわかる本―政治・宗教・民族 55の疑問 (PHP文庫)イスラム世界がよくわかる本―政治・宗教・民族 55の疑問 (PHP文庫)
(2003/04)
岡倉 徹志

商品詳細を見る


イスラム教入門 (岩波新書)イスラム教入門 (岩波新書)
(1998/01)
中村 広治郎

商品詳細を見る


イスラームの日常世界 (岩波新書)イスラームの日常世界 (岩波新書)
(1991/01)
片倉 もとこ

商品詳細を見る


今、身近になったイスラム教。知れば知るほど、奥が深い。実際、ここで読んだことを学生や同僚に聞いてみようと思う。



1クリック、今日もお願いします!
にほんブログ村 教育ブログへ

読書の夏(教育関係編)

日本に帰ってきてから、日記には書いてないけど、本を読む時間がかなり多かった。
日本語の本を読める、というのは、そんなにたくさん、バーレーンに本を持っていけない僕にとっては、幸福なときである。

一言メモで、読んだ本を記録しておきたい。

教育関係
・「教えるということ」(大村はま著)
国語教育の大家の大村先生の講演を活字にしたもの。昭和40年代(俺も生まれる前)の講演などもあり、時代を感じさせるが、その中身は、今でも通用する内容だった。先生になる方にオススメしたい。「検査官になるな」というフレーズが妙に頭に残っている。

・「誰でも成功する発問のしかた」
誰でも成功する発問のしかた誰でも成功する発問のしかた
(2008/04)
加藤 辰雄

商品詳細を見る

・「誰でも成功する板書のしかた・ノート指導 」(加藤辰雄著)
誰でも成功する板書のしかた・ノート指導誰でも成功する板書のしかた・ノート指導
(2007/04)
加藤 辰雄

商品詳細を見る

このシリーズ、見開きで簡潔、左ページに解説、右ページにイラスト、という取っ付きやすい。板書とノート指導は、社会を教えていたときから、興味を持っていたので、ほとんどのところは流し読みだったけど、発問は、今年の研究の柱にしたいので、取り入るように読んだ。ただ、数学/算数にだけ特化したものではなく、小学校用、という感じなので、中学生に教える僕は、少しでも、アレンジしないといけない。でも、発問や指示の根本的な部分は同じであろう。(英語でどう発するか、というのも課題になる)

・「図解よくわかる授業上達法」(上條 晴夫著)
図解よくわかる授業上達法図解よくわかる授業上達法
(2007/03)
上條 晴夫

商品詳細を見る

これも上記2冊と同様の構成。でも、「教えること」全般に関わることを書いている。新卒、新採用の方は読むべき本だろう。

・「教師になるということ」(池田修著)
教師になるということ教師になるということ
(2007/09)
池田 修

商品詳細を見る

日本で先生になるなら、心得的本として、読んでおくべきだろう。理念と実践を両方バランスよく書いている。

・「 なぜ日本人は学ばなくなったのか」(斎藤孝著)
なぜ日本人は学ばなくなったのか (講談社現代新書 1943) (講談社現代新書 1943)なぜ日本人は学ばなくなったのか (講談社現代新書 1943) (講談社現代新書 1943)
(2008/05/20)
齋藤 孝

商品詳細を見る

日本の教育事情を知らない僕は「ふぅ〜ん」っていう感じで読んだ。学習意欲の低下などを問題にしている。「昔は良かったが、今は」という論調で、気に入らない人は多いかもしれない。


1クリック、今日もお願いします!
にほんブログ村 教育ブログへ

教育の本1冊目:教育力

教育力 (岩波新書 新赤版 1058)教育力 (岩波新書 新赤版 1058)
(2007/01)
齋藤 孝

商品詳細を見る



バンコクの紀伊国屋で買ってきました。
齋藤孝教授の本はこれまでもいろいろ読んできましたが、教育全般について、彼の書いた本を読むのは初めてじゃないかな、という気がします。(読書力などの本は特定のテーマについて述べたものなので)

のちのち、各章から引用を載せてみたいと思います。

英語の本4冊目:富田の英文読解100の原則 下

富田の英文読解100の原則 下富田の英文読解100の原則 下
(1994/08)
富田 一彦

商品詳細を見る


100の原則(上)の続きです。

もちろん、上下巻ともやるべきですよ。

英語の本3冊目:富田の英文読解100の原則 上

富田の英文読解100の原則 上富田の英文読解100の原則 上
(1994/08)
富田 一彦

商品詳細を見る



友達から勧められて10年前、受験のときにやった本です。

この本がなかったら、僕の英語力は悲惨だったでしょう。。。それほど、僕に取っては、この本はかなり「画期的」でした。未だにその時の衝撃は覚えています。(富田先生の講座を取り始めたのもこの本がきっかけ)

扱う英文そのものは、とても少ないですが、解説がかなり詳しく、英文の読み方を勉強することができます。

ボロボロで手垢のついた捨てられない本の1冊です。

ビジュアル英文読解Ver.1が終わった後、じっくり時間を取ってやるといいと思います。

「こういうふうに英文を読むのか!」という考え方は、アメリカで英語の教科書を読むのに多いに役に立っただけでなく、自分がアメリカ人の高校生を教えた時も役に立ちました。

英語の本2冊目:富田の入試英文法―代々木ゼミ方式 Ver.1 解法の基礎

富田の入試英文法―代々木ゼミ方式 Ver.1 解法の基礎富田の入試英文法―代々木ゼミ方式 Ver.1 解法の基礎
(1995/12)
富田 一彦

商品詳細を見る



これ1冊で受験英語の文法は大丈夫でしょう!
僕はTOEFLを受ける前にも使いましたが、これ1冊で、どんな問題にも対処できました。

1学期はひたすらこの本をやり続けました。古い、なんて言われるかもしれませんが、名著です。

ちなみに、「受験参考書はTOEFLに使えるのか?」と昔、友達に言われたことがありますが、英語は英語であって、そこにTOEFL英語なんてものんは存在しないので、使えます。

留学しようとしている人で、文法が苦手、っていう人にはこの本がいいでしょう。
受験生の方は夏までひたすら、これを暗記するくらいまでやれば、ほとんどの文法問題には動じなくなると思います。

アラビア語の本2冊目:はじめてのアラビア語

アラビア語の入門アラビア語の入門
(1998/09)
本田 孝一

商品詳細を見る



初心者にはいい本です。
アラビア語を学問的に、っていうわけではないけど、とりあえず全くの初心者が、会話と文法などを勉強するのにはいいかもしれません。
CDもついているので発音なども確認できます。

この本が終わったら、ステップアップアラビア語、というのもあるので、継続的に勉強したい人にもおすすめです。

僕は去年の8月に買ったのですが、まだまだ。文法でつまずいています。

英語の本1冊目:富田の基礎から学ぶビジュアル英文読解基本ルール編

富田の基礎から学ぶビジュアル英文読解基本ルール編―代々木ゼミ方式 (代々木ゼミ方式)富田の基礎から学ぶビジュアル英文読解基本ルール編―代々木ゼミ方式 (代々木ゼミ方式)
(2003/03)
富田 一彦

商品詳細を見る



代ゼミで習った先生の本をシリーズで紹介して行きます。

僕が受験生の時は、この本はまだなかったのですが(これに似た者はありました)、TVネット専用とはいえ、解説が詳しいので独学にも使えます。

昔英語を勉強したけど、文法がさっぱりな方、TOEFLを受けようとおもっているけど、全くもって何をやればいいのかわからない、という人にお勧め。

受験生の方はこれをとりあえず、5月まで終わらせることを目標にすれば、富田先生の他の本にスムーズに入れます。

アラビア語の本1冊目:はじめてのアラビア語

はじめてのアラビア語 (講談社現代新書) はじめてのアラビア語 (講談社現代新書)
宮本 雅行 (2003/04)
講談社
この商品の詳細を見る



新しい言語を勉強しよう、というときに、僕の場合はいつも新書から手を出す。
言葉の全体をまずは眺めてみたい、何がどう「英語」や「日本語」と違うのか、というのを知っておきたい、ということからだろう。

この本は僕のようにアラビア語は全く初心者にはもってこいだと思う。アラビア語の文字だとか、簡単な挨拶を知る程度にはいい本だ。だが、この本にそれ以上のことは期待してはいけない。あくまで超入門書。そして、それ以上勉強したい人には、他の本を探すべきだ(特に文法など)。





数学本1冊目:本質の研究ー数1A

本質の研究数学I・A―Lectures on mathematics 本質の研究数学I・A―Lectures on mathematics
長岡 亮介 (2004/03)
旺文社
この商品の詳細を見る



元旦に宣言したように、「月に1冊は数学の本をやる」ということ。

1冊目は「本質の研究ー数1A」です。

高校のとき、あまりにも数学を勉強していないので、いろいろ懇切丁寧に説明しているものを買おう、と思って、本屋を巡っているときに出会いました。

教科書的な感じがしますが、「へぇ〜そうなんだ」とか、そういう驚きがあったりします。
例題や章末問題は、若干難し目のも入っていますが、時間を気にせず、とことんつきあうのもいいのではないでしょうか。

それにしても、今は数列や不等式の証明は数Bに移動になったんですね。。。代わりに平面幾何が入っているのにはびっくりしました。